送風機やファンなどのターボ機械の内部流動は、層流から乱流への遷移領域にある事が多い。この場合、翼まわりの流れに現れる周期的変動現象は翼に及ぼす影響が大きく騒音、振動の原因になる。したがって、周期的変動現象の構造や特性を明らかにする事が重要であるが従来依然として不明な点が数多くある。本研究では、流動状況と騒音の圧力や流速などの定量的把握のみでなく、流れの可視化実験を行う事によって、流動状況の組織構造を明らかにした。可視化実験では、従来の低速でのみ用いられた方法を実験装置を最適化する事によって高速流に適用し、ビデオにより連続的な変化の把握を行いコンピュータによる処理を施す事によって現象の把握を行っている。以下に、研究結果の一部をまとめる。 1)後流渦例が発生する場合、すなわち周期的な流れの変動現象が現れる場合においても明確な離散周波数騒音が発生する場合とそうでない場合がある。これは後流の周期変動が直接翼面上の圧力変動を誘起するものではない事を示すものである。 2)離散周波数騒音が現れる場合は後流渦の発生が後緑直後から起こり、直接翼面上の流れの変動を引き起こす。一方、現れない場合は後流渦が翼後方から発生し翼面上の流れの変動を引き起こさない。
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