本研究の対象は人間であり、人間に装着するための機器(マスタースレブ型二足歩行ロボットのマスター側)に関するものである。したがって、人間の運動機構(関節構造や運動機能)を知ることが重要である。 そこで本年度は、 (i)上述のような事項に関する調査研究を行い、さらに、人間の歩行/走行に関する考察を行った。その結果、人間の歩行/走行に関しては、運動エネルギーと位置エネルギーが重要な役割をはたしていることが理解できた。 さらに、ハードウエァ製作に先だって、 (ii)計算機上に人間を再現しマスタースレーブ動作のシミュレーションを行うための一般的な木構造を持ったリンク機構の運動方程式を導出した。その特徴は、リンクの結合を表すパラメータを導入した点であり、そのために、非常にコンパクトに運動方程式が表現できた。またグラフ理論の考え方を利用すれば、計算機内に自動的に運動方程式を生成することができるようになる。 また、 (iii)直立動作を意識した簡単な実験装置を試作し、非線形制御理論を利用してその直立動作の実験を行った。
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