本研究では、放電励起ArFエキシマレーザの励起機構の解明を目的として以下のことを行なった。 1.レーザ出力特性の測定と、放電パラメータの最適化 波長193nmにおけるレーザー出力が、ガス圧、ガス混合比、希釈ガス、放電電圧等を変えたときどのように変化するかを調べ最適条件を求めた。また、そのときの放電電圧の時間変化を観測した。 2.レーザ吸収分光測定 放電中に色素レーザ(Arイオンレーザ励起CWリング色素レーザ)からの光を通過させ、吸収分光法により、励起He^*、Ne^*原子等の絶対密度の測定を行なった。Ne^*(3s^3P_2)およびHe^*(2p^3P)原子密度は最適条件下でそれぞれ1.7×10^<12>cm^<-3>、2.1×10^<12>cm^<-3>(ピーク値)と求まった。また各種放電パラメータを変化させたときのこれらの密度の変化を調べ、193nmレーザ光との関係について考察を行なった。 3.コンピュータによる電子温度の計算 実験で求めた放電電圧を用いてコンピュータによりボルツマン方程式を解き、電子温度を計算した。その結果と上記1、2の結果を比較して、励起機構についての考察を行なった。 また赤外線He-Neレーザ光を用いた干渉法による電子密度の測定システムを構築し、現在測定のための予備実験を行っている。
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