(1)6.4eVおよび7.9eVエキシマレーザを照射したシリカガラスにおける点欠陥の生成および消滅を電子スピン共鳴および真空紫外分光測定により観測した。Si-Si結合およびSi-H結合を含むシリカガラスにおいては、水素を含有しないシリカガラスと比較して1-2桁高い濃度のSiダングリングボンドの生成を確認した。また、レーザ照射によるSiダングリングボンド生成の動力学を解析した。さらにSi-HおよびSi-OH結合の濃度が欠陥の生成および消滅の動力学に及ぼす影響を調べ、微視的な欠陥生成モデルを確立することが出来た。(The 1993 PAC RIM Meeting:“R.A.Weeks International Symposium on Science and Technology of SiO_2 Related Materials"にて報告。) (2)シリカガラス中の酸素欠乏欠陥のキャラクタリゼーションを行うため、シンクロトン放射光(シングルバンチ運転)を利用して、時間相関単-光子計数法による真空紫外域(>6eV)励起下でのナノ秒・サブナノ秒時間分解蛍光測定を行った。真空紫外励起下で酸素欠乏欠陥の2つの配置間でのinterconversionを初めて観測することが出来た。(第54回応用物理学会学術講演会および電気学会研究会誘電・絶縁材料研究会の計2件の報告を行った。) その他、エルビウムドープシリカガラスのgamma線誘起損失の解析、ゲルマニウムドープシリカガラスのエキシマレーザ誘起ルミネッセンスの観測、ゾル-ゲル法シルカガラスの光学特性に及ぼすNa不純物の影響に関して、第54回応用物理学会学術講演会にて3件の報告をすることが出来た。
|