本研究は、超小型で簡素な構造を持ち、アレー化の容易なマイクロフォンの実現を目指して、小さな曲率で曲げた光ファイバにより音場測定を試みようとするものである。これが実現すると、きわめて波長の短い高周波音場の測定が可能であること、アレー化による瞬時音場測定の実現などから、高周波化する最近の超音波技術や、多点同時計測が必要な騒音問題に寄与できる。本研究では、(1)試作を行って提案する原理の動作を確認する、(2)理論解析によって感度などの特性を明らかにし、設計法を確立する、(3)試作・実験による性能評価・特性改善を行うことを目的とした。 プラスチックファイバを用いて試作し、以下のような成果を得た。 1)空中および水中における20kHz定在波音場の測定に成功した、 2)500kHz水中集束音場の測定に成功した、 3)周波数特性などの基礎特性を評価した、 4)理論的に、曲率と感度の関係が明らかになった、 一方、 5)曲率部の寄生振動が特性を制限する事実がわかり、 6)寄生振動を抑圧する構造を開発する必要があるという課題が残った。
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