研究概要 |
TV画像の多次元信号の処理のために,従来の2次元確率モデルに時間軸を加えた3次元確率モデル,つまり,ランダム画像系列モデルについての考察を行った.空間軸には非因果性,時間軸には因果性を仮定し,白色雑音により駆動される線形予測モデルを用いた. このモデルは,空間軸に対して2次元の離散フーリエ変換を行うことにより,各空間周波数毎に,独立な複数の自己回帰過程となる.この性質を利用して,ワークステーションを用いて,計算機シミュレーションにより,標本ランダム画像系列を発生させた.また,その標本ランダム画像系列を学内計算機ネットワークを介して,画像入出力ボードを装備したパソコンに転送し,実際に画像系列として表示し,主観的な評価を行った.また,設定したパラメータよりモデルから計算される相関関数と,実際に作成した標本ランダム画像系列から計算される相関関数とを定量的に比較し,2次の統計量という観点からは,良好な標本ランダム画像系列の発生が行えることを確認した. また,最尤推定法に基づく,ランダム画像系列のパラメータ推定方法の考察を行った.そして,発生させた標本ランダム画像系列に対して,そのパラメータ推定法を適用して,パラメータ推定を行い,設定したパラメータが精度良く推定できることを確認した. 以上の成果をまとめて,投稿準備を行っている.
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