研究概要 |
操作量飽和は実システムにおいて制御性能を悪化させる主要な要因の一つである.申請者らは,既に,安定な制御対象に対し,操作量飽和の影響を抑制する制御器構成法を開発し,論文発表している.当該研究の目的は,この制御器構成法を不安定な制御対象にも適用できるように拡張することである. 当該年度における成果の次の通りである.すなわち, 1.「不安定な制御対象に対し,まず局所的なフィードバックによりこれを安定化した後に先に提案した制御器構成法を適用する」という設計方針を考案した. 2.またこのとき,局所的なフィードバック則が満足すべき条件を明らかにした. 3.つぎにこの設計方針を基にいくつかの設計を行い,シミュレーションによりその効果を確認した. これまでの結果をまとめ,第26回計測自動制御学会北海道支部学術講演会で発表を行った. 今後,上記の局所的なフィードバック則の一般的な導出方法および,より効果的な設計法の開発が重要な課題である.また実験による検討を行う予定である.
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