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微視的構造に基づくコンクリート中の水分移動モデル

研究課題

研究課題/領域番号 05750445
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 土木材料・力学一般
研究機関東京大学

研究代表者

下村 匠  東京大学, 工学部, 講師 (40242002)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード細孔容積分布密度関数 / 水蒸気拡散 / 毛細管凝縮 / 表面張力 / 吸水
研究概要

本研究は,コンクリート中の種々の空隙が水分移動現象の種々の側面において果たす役割を,現象に忠実に表現することにより,汎用性が高く,精度の高い予測手法の構築が可能であるとの考え方を出発点とし,実験ならびに数値解析を行い,研究期間内に以下の成果を得た.
まず,一般の大気中におかれたコンクリートが乾燥,吸湿する現象を対象とした.本現象において主要な役割を果たすコンクリート中の空隙は,硬化セメントペースト中の毛細管空隙であると考え,水分移動の主たるメカニズムは,細孔中における水分の毛細管凝縮,水蒸気の分圧の勾配に起因した気相中における水蒸気拡散,液状水の毛管力による移動であると考えた.この考察に基づき,コンクリート中の毛細管空隙を細孔容積分布密度関数により表現し,これらのメカニズムを統一的に記述することにより,湿度環境下におかれたコンクリート有限供試体の乾燥挙動の数値シミュレーションを行うことに成功した.材料パラメータを適当に定めることにより,コンクリート中の水分の分布の経時的変化を適切に予測し得ることを,内部の水分を実測した実験により検証した.
続いて,液状水がコンクリートに直接に接し,液状水の形態のまま浸入する吸水現象を対象とした.浸入する液体を,水,アルコールと変えて吸水実験を行ったところ,硬化セメントペースト中の液状水の移動は,毛管力を駆動力と考えた場合に予想されるよりもきわめて遅いことが明かとなった.これは,未水和セメント粒子との反応,カルシウムイオンの溶出などが原因と考えられる.コンクリート中の液状水移動を適切に予測するためには,これらの要因を考慮することがきわめて重要であることを指摘することはできたが,その具体的な取扱いは提案するに至らなかった.

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 下村匠・小沢一雅・前川宏一: "細孔容積分布密度関数に基づくコンクリートの乾燥収縮モデル" コンクリート工学年次論文報告集. 15-1. 435-440 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Chaube,R.P.,Shimomura,T. and Maekawa,K.: "Analytical Modelling for the Effect of Aggregates on Water Transport in Concrete" Proceedings of the JCI. 15-1. 1217-1222 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Shimomura,T. and Maekawa,K.: "Mathematical Model for Water Movement in Concrete" Proceedings of the EASEC-4. 1425-1430 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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