遠心模型実験装置を用いて中央の密度を高めた領域を有する軟弱飽和砂地盤(相対密度50%)の振動実験を、50gの遠心加速度場にて、中央部の相対密度を65%と90%、改良幅を層厚の0.8倍、1.2倍、1.6倍にそれぞれ変えて行い、中央部の相対密度、改良幅の違いが中央部の改良域に及ぼす影響について調べた。これより以下のような知見を得た。 1)改良部の地盤の応答加速度は、改良幅が広い、相対密度が大きいほど大きくなる。 2)地盤の加速度応答が大きくなると、地盤は液状化、またはサイクリックモビリティを起こす。 3)特に改良幅が広く、相対密度の大きい改良部に大きな加速度振幅が発生した場合、その加速度応答および過剰間隙水圧挙動はサイクリックモビリティの傾向を示す。 4)周辺部の液状化によって改良部に生ずる崩壊の下限は、未改良域の液状化深さによって決まる。 5)周辺部の液状化によって改良部に生じる崩壊の領域は、改良幅が広い場合は幅の広さには無関係に定まる。幅が狭く改良域の両側の崩壊部分が重なる場合には、改良域のより広い範囲が影響を受ける。 6)長時間の振動や大きな加速度振幅を加えると、未改良域の液状化する領域が広がり液状化している時間も長くなる。したがって、改良部の受ける影響も大きくなる。 7)過剰間隙水圧の発生消散モデルによって得られた過剰間隙水圧比のコンターから、改良域の剛性の低下した部分を予測できる。
|