日本における大深度でのジオフロント開発では、多くの人工的に作られた地盤材料の利用が考えられている。このような開発で重要なことは、地下空間の長期の安定性を確保することであるが、このためには大深度での長期的な環境履歴を考慮した人工的な地盤材料の力学挙動の解明とそのモデル化が必要である。本研究は、このような観点から人工地盤材料としてベントナイトを種々の割合で混合した砂を対象にして、その力学特性の解明を実験的及び解析的立場から試みたものである。得られた成果をまとめると以下のようである。 1)ベントナイトの混合割合が10%、20%、30%の混合砂に対して種々の拘束圧下で三軸試験を実施した。その結果、ベントナイト混合割合が多くなるほどせん断時の剛性は小さく、また発現されるせん断強度も小さくなることが示された。 2)ベントナイト混合割合が多くなるほど、せん断時の剛性や強度は含水比変動の影響を大きく受けることが明らかになった。 3)1)と2)の結果に基づいて、サクションの効果を組み入れた不飽和土の弾塑性構成式の提案を行った。シルト質粘性土とベントナイト混合砂を対象としたサクション制御の三軸試験結果との比較から本構成式が有効であることが確かめられた。
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