研究概要 |
本研究では都市の拠点地域における高層住宅居住者の快適な都市環境を確保するために,多様化する都市環境に対する居住者の意識下における評価要因を抽出し,効用関数に組み込む方法論を開発することと共に居住者の属性によって分類することで選択構造の相違を明らかにし,よりきめ細かい空間計画に資する分析をおこなうことを目的としている. 1.従来の客観的基準による立地選択理論に対し,消費者の主観的評価を取り入れた効用関数を提案し,従来にない新しい評価理論の提案をおこなっている.この評価関数は共分散構造モデルの応用によって実際に分析可能であることを示した. 2.横浜市内の高層住宅居住者を対象としたアンケート調査によって,立地(購入)行動データより非集計ロジットモデルを用いた立地選択モデルから効用関数を求めた.その際,サンプルを地価安定期と高騰期,前住地別,ライフステージ別にセグメンテーションし,消費者の異質性に着目した分析をおこなった.これより居住環境に対する評価特性の相違を明らかにするとともに,ヘドニック・アプローチに対しては消費者が異質な場合の評価バイアスを実証的な見地からの情報することができた.
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