本研究は、都市河川のアメニテイを高めるために、都市から河川へのアクセス性を確保し、景観を広く眺めることのできるオ-ブンスペースである河川を想定した橋梁景観のデザインを支援するための研究を行った。現在、西欧諸国や日本で事業化された都市河川にかかる橋梁設計の事例を対象として、つぎの研究成果を得ることができた。 1.橋梁空間の基本構成と機能分類(平面分析) 対象都市河川の事例の基本計画図(平面図)を対象として、橋梁本体の構造形式や各部分の要素の構成、および橋詰め広場の空間構成を整理し、設計コンセプトの整理を行った。 2.景観と橋の基本的な構図デザインに関する分析 橋の景観設計におけるデザインコンセプトを模索するために、橋と架橋景観のシルエットがより美しいと演出され、両者が積極的な演出の関係をもつための基本的な構図の考え方を提案した。ここでは景観として、山並みや、オ-ブンスペース、街を一般的に想定し、結果的に9つの基本的な構図の考え方を提案したが、できるだけわかりやすい表現として整理することができるようにイメージ図と事例をもとに提示した(研究発表参照)。 3.構造の意匠パタンの抽出 構造形式をその輪郭線の動きや粗密の量、橋詰め広場の構成、景観的な修辞(点、線、場所性表現)、陰影に関する意匠パタンを整理した。
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