研究課題/領域番号 |
05750562
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築環境・設備
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研究機関 | 筑波技術短期大学 |
研究代表者 |
今井 計 筑波技術短期大学, 建築工学科, 助手 (90232595)
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研究分担者 |
今井 計 筑波技術短期大学, 建築工学科, 助手 (90232595)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 身体障害者 / 温熱環境 / 人工気候室実験 / 局所冷却 / 生理・心理反応 / うつ熱 / 血管調節障害 / 発汗障害 |
研究概要 |
今日冷暖房の使用は生活上なくてはならないものであり、頸髄損傷者のように熱適応障害を持つ人々は、温熱環境改善の要望が高く、今後熱的弱者を対象とした冷暖房の開発が望まれる所である。頸髄損傷者は血管調節障害・発汗障害などにより十分に放熱が行われず、身体内部に熱がこもってしまいうつ熱といわれる状態を呈することがある。そこで今回冷風機を用いて局所的な冷風が頸髄損傷者の持つ体温調節障害に起因する高温環境下でのうつ熱に対し、どれくらい効果があるのかを検討すべく人工気候室実験を行った。 実験は設定温度31℃30%と31℃80%について、冷却方法は(1)冷風なし(2)脛部への冷風(3)前額部への冷風(4)脛・前額部への冷風を吹き出し風速が1.0m/sとした。被験者は男性頸髄5〜6損傷者2人は男性健常者2人で、着衣条件を統一するため実験中は0.6cloの作業着を着用し、測定項目は生理反応として、1分間隔で皮膚点7点・コア温を、そして15分間隔で体重、心理反応として温冷感、気流感、快適感を調べた。 湿度30%においては、前額部冷却に生理反応がみられたが、これはコア温が前額部冷却の時に低くなったために、前額部・足部皮膚温に冷却中放熱を抑制する方向への反応がみられたとも考えられる。心理反応では31℃30%と低湿度であれば、冷風による心理反応への影響がほとんど見られなかった思われる。 湿度80%においては、前額部冷却と脛・前額部冷却において頸髄損傷者のうつ熱に対する効果がみられた。前額部冷却時に1人の頸髄損傷者のコア温は、冷却中の30分間に約1.5℃も低下しており、湿度80%では頸髄損傷者のうつ熱に対して脛・前額部冷却がもっとも好ましいと思われる。 今回の実験から冷却部位と冷却時間についての検討が必要であると思われる。また冷風の断続的使用・長時間使用についても検討の余地がある。
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