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近世・近代期における家相の普及と民家の展開過程に関する史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05750587
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 建築史・意匠
研究機関大阪産業大学

研究代表者

中川 等  大阪産業大学, 工学部, 助手 (40227749)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード民家 / 町家 / 家相 / 家相図 / 鬼門 / 京都 / 建築史
研究概要

本研究は、近世・近代期における家相の普及と民家の展開過程について、両者の関係に着目して考察したものである。京都と周辺地域を主な対象として、家相が庶民階層に普及した社会的経緯と家相師の動向・営業形態について分析し、一方で家相の具体的な影響を民家型式の変遷から抽出するという方法で研究を進めた。
まず、家相の庶民階層への普及を、一般向けの家相書の出版と家相師による家相図の作成という二つの側面から検証した。家相書は、天明2年(1782)刊の『家相口訣』(古易堂)をはじめ、18世紀末にあらわれ、19世紀に入って続々と出版された。一方、民家の家相図は、庄屋階層を中心に天保期のものがいくつか見られ、以後、明治期にかけて多数作成された。これら幕末から明治期にかけて社会的な趨勢を、家相が庶民階層へ浸透していった過程として把捉した。
家相師の営業動向については、たとえば丹後国加佐郡倉橋(現舞鶴市)の吉村秀厖は、舞鶴だけでなく綾部、美山の民家の家相図でも名前が見られ、広間型から北山型まで、民家型式の分布領域を超えた広い営業圏をもっていた。吉村の名乗った松浦流は有力な流派であったと推察される。
家相の影響を受けた民家型式として、土間の裏隅を切り欠く事例などを指摘した。南正面・左勝手の民家であれば、土間の裏隅は鬼門に相当する。やはり幕末から明治・大正期の民家に散見した納まりである。
家相図の収集は現時点で約50点になる。今後も引き続き網羅的な収集につとめ研究の精度を高める一方、家相図の表現書式(方位線・付属屋・庭の表現)、描写内容(風呂・便所・流し・竃・厩)、付記情報(家族構成・改造経緯)などを精緻に検討してゆく計画である。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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