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超高圧力を用いたチタンの異常拡散機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 05750597
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 金属物性
研究機関大阪大学

研究代表者

荒木 秀樹  大阪大学, 工学部, 助手 (20202749)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード高圧力 / チタン / 異常拡散 / 活性化体積 / フォノンソフニング
研究概要

本研究では、立方体WCアンビル型高圧力発生装置を利用して、圧力0.1M〜3GPa、温度1223〜1773Kのさまざまな条件の下のbeta-Ti中のAlの不純物拡散係数を決定し、活性化エネルギと活性化体積を求め、beta-Ti中の異常拡散機構を考案した。本研究により以下のことが明らかになった。
(1)常圧力(0.1MPa)下の不純物拡散係数のアレニウスプロットは、beta-Tiの自己拡散やその他の多くの金属原子の不純物拡散係数と同様に緩やかな上向きの曲がりを示した。
(2)不純物拡散係数の圧力依存性から求められた活性化体積は、0.3V_Oであった。この大きさは通常の単空孔機構による体心立方晶(bcc)中の拡散の活性化体積の約半分に相当し、極めて小さい。
(3)これらの実験結果を、単純な単空孔機構を用いては、説明することができない。
(4)異常拡散は、基本的には通常のbcc金属の拡散と同様に、拡散原子が2つのサドルポイントを通り抜け、最隣接の空孔位置にジャンプすることによって起こっているが、しかし、低温になればなるほどフォノンが著しくソフニングしているために、拡散原子が最隣接位置に移動するのに要するエネルギーは小さくなり、低温において拡散は促進され、アレニウスプロットに上向きの曲がりが生じている。このとき、活性化体積DELTAVは、
DELTAV=DELTAV^F_O+DELTAV^M_O(1-T_O/T)-(G^M_O/T)(∂T_O/∂P)
と表される。ここで△V^F_0、DELTAV^M_Oはフォノンの影響が全く存在しないときの空孔の形成と移動の活性化体積である。これらの値は、通常のbcc金属中の空孔の形成と移動の活性化体積にそれぞれ等しく、DELTAV^F_O=0.4V_O、DELTAV^M_O=0.2V_Oである。G^M_Oは常圧力(0.1MPa)下における拡散係数の温度依存性から、G^M_O=193kJ/mol。∂T_O/∂P=14K/GPaとすれば、beta-Ti中のA1の拡散の極めて小さい活性化体積の値を説明することができる。この事はbeta-Ti中の異常拡散挙動はフォノンソフニングと密接な関係があることを示唆している。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Araki, T.Yamane, Y.Minamino S.Saii, Y.Hana, S.B.Jung: "Anomalous Diffusion of Aluminum in beta-Titanium" Metallurgical Trasactions. 25A(in press.). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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