本研究では、Ti_<30>Nb_<30>Al_<40>、Ti_<35>Nb_<35>Al_<30>、Ti_<40>Nb_<40>Al_<20>、Ti_<42.5>Nb_<42.5>Al_<15>の異なる4種類の組成の合金を用いて行われた。それらはいずれもアルゴンアーク溶解法により溶製された。Ti_<30>Nb_<30>Al_<40>、Ti_<35>Nb_<35>Al_<30>合金は、さらにプラズマ回転電極型溶湯急冷装置を用いて、急冷小片を作製し、高温相の同定を行った。急冷小片を作製する場合、あくまで高温相の凍結であるという目的や透過型電子顕微鏡用試料の作製が容易であるためなどの理由により、急冷速度を遅くし比較的大きな急冷薄帯を得るようにした。得られた急冷薄帯を透過型電子顕微鏡で観察したところ、Ti_<30>Nb_<30>Al_<40>合金、Ti_<35>Nb_<35>Al_<30>合金いずれも脆性的なB2相単相が形成されていた。しかし、急冷硬化が高かったと思われるサイズの小さな急冷小片の中には、極めて延性的なものがいくつか含まれており、電顕観察の結果それらはBCCであることが解った。このことは、これらの合金は高温相としてこれまで報告されているようにB2相が存在するが、さらにその上の温度では不規則化してBCC相となるであろうことを示唆している。一方、Ti_<40>Nb_<40>Al_<20>、Ti_<42.5>Nb_<42.5>Al_<15>の2種類の合金に関しては、アルゴンアーク溶解法により溶製されたインゴットを1473Kで溶態化処理した後、673K、873K、1073K、1273Kの各温度で熱処理を行い相の変化を調べた。その結果、1273Kにおいて双方いずれも単相域にあることが解った。これはおそらくB2相の単相域であると思われる。各温度で熱処理をした結果、相分解などが観察されたがその形態は組成によって異なっていた。
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