研究課題/領域番号 |
05750691
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
近藤 昭彦 九州工業大学, 工学部, 助教授 (40205547)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 刺激応答性微粒子 / 磁性微粒子 / N-イソプロピルアクリルアミド / アフィニティ分離 / 固定化酵素 / バイオセパレーション / 磁気分離 / 凝集分離 |
研究概要 |
タンパク質のような高分子の吸着分離プロセスにおいて、吸着体をサブミクロン以下のサイズまで超微粒子化することで粒子表面積を増大させ、超微粒子サスペンジョンとして利用することは、プロセスの高効率化をはかるために有効である。しかし、超微粒子を活用する上での問題点は、言うまでもなく、いかにすれば超微粒子を迅速に回収できるのかという点である。こうした点は固定化酵素のように、生体高分子を微粒子表面に固定化して反応プロセスに活用していく場合も同様である。したがって、吸着あるいは反応条件下では分散状態を保ち、外部からの刺激により超微粒子を迅速に分離回収することができるようになれば、極めて有効な吸着分離あるいは反応システムを構築できる。本研究では、従来から期待の大きかった分散 回収を外部からの刺激で制御できる超微粒子(刺激応答性超微粒子)サスペンジョンの調製法を確立し、それをバイオテクノロジー領域における分離、反応プロセスに応用することを試みた。その成果は、以下のようにまとめることができる。 1.刺激応答性超微粒子調製法の確立……(a)磁性超微粒子: 硝酸酸化法→界面活性剤被覆の手順で調製した粒子径数十nmのマグネタイト超微粒子を、種々のモノマーと乳化重合することで種々の官能基を持つ高分子被覆磁性超微粒子を調製できた。(b)温度応答性超微粒子:ポリN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)は34℃付近で相転移する。このNIPAM、スチレンおよび種々の官能基を持つモノマーを乳化重合して調製した超微粒子は、電解質存在下で温度を上げることで凝集分離することができた(すなわち温度応答性を示した)。(c)温度応答性磁性微粒子 : 磁性超微粒子の調製に際してNIPAMを導入することで、温度応答性を付与することができた。すなわち、温度を上げて凝集させてから磁場中で迅速に補集できる温度応答性磁性微粒子が調製できた。 2.刺激応答性超微粒子の回収を効果的に行うための操作条件およびプロセスの確立……磁性超微粒子分離への磁場強度、そして温度応答性超微粒子の凝集分離への温度、電解質濃度、攪拌等の操作条件の影響なを明らかにした。 3.刺激応答性超微粒子のアフィニティ吸着分離および酵素反応への応用……刺激応答性超微粒子上に導入した官能基を利用して、アフィニティリガンド(抗体など)や酵素といった機能性タンパク質を固定化することで、高効率なバイオ生産物のアフィニティ分離プロセス、および酵素反応プロセスを構築できた。
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