研究概要 |
本研究ではまず、アンモニアモノオキシゲナーゼ、ヒドロキシアミン酸化酵素等の硝化反応酵素系を含む従属栄養細菌Arthrobacter globiformisの最適培養条件の検討を行った。その結果、本細菌は以下に示すような組成の培地において良好な生育を示した。 培地組成(g/1,000mlH20):KH_2PO_4(8.2g),NaOH(1.6g),MgSO_47H_2O(0.5g),KCl(0.5g),CaCl_2(0.5mg),CuCl_2(0.5mg),FeCl_36H_2O(0.5mg),ZnCl_2(0.5mg),(NH_4)_2SO_4(4g),CH_3COONa(10g),コハク酸ナトリウム(5g) 菌体の培養は、容量500mlのバッフル付き三角フラスコに上記の培地100mlを入れ、30度で激しく攪拌しながら行った。培養開始24時間後に遠心分離により菌体を集め、l0mMリン酸緩衝液に懸濁した。まず最初に、この菌体懸濁液を用い菌体レベルでの酵素活性の測定を行った。フェリシアン化カリウムを電子受容体として用い、ヒドロキシアミン酸化活性を測定したところ、この菌体懸濁液は活性を示さなかった。さらに本菌体懸濁液を超音波処理してえられた無細胞抽出液を用いて同様の実験を行ったが、やはり活性は見られなかった。このように活性が観測されなかったのは、フェリシアン化カリウムが電子受容体として機能していないためか、あるいは本培養条件においては、目的とする酵素が誘導されていないためであると考えられる。
|