研究課題/領域番号 |
05750735
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石田 昭人 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20184525)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 芳香族シッフ塩基 / 光化学反応 / 置換基効果 / 光励起状態 / 電子移動 / ラジカルイオン |
研究概要 |
芳香族シッフ塩基は液晶や非線形光学材料として重要な分子であるが、その大きな分極率は強い分子内CT相互作用に起因している。本研究においては各種の電子求引性および供与性置換基を芳香環に導入して電子のエネルギーレベルを変化させ、これが分子内CT相互作用および媒体との静電的相互作用に与える影響を吸収スペクトルの観測、イオン収率の測定、および溶媒効果などから系統的に研究し、以下の成果を得た。 1)^<13>Cおよび^<15>NNMRにより中心C=N結合について電子密度を測定し、4位の置換基が中心窒素原子上の、また4'位の置換基が中心炭素原子上の電子密度より直接的に影響を与えるという特異な電子的効果を明らかにした。 2)低温MTHFマトリックス中で分子内CT相互作用にもとづく吸収帯を光励起すると励起状態のシッフ塩基と溶媒分子とのきわめて強い静電的相互作用が誘起され、電子移動によりシッフ塩基のラジカルアニオンが生成すること、および、ラジカルアニオン生成効率は4'位の置換基の電子求引性に強く依存することを明らかにした。 3)分子内CT吸収帯の光励起による溶媒付加反応は4位の電子供与基および4'位の電子求引基により促進され、4位に電子供与基が存在する場合は励起分子の水素引き抜きにより、4'位に電子求引基が存在する場合は上述のように電子移動を経由して反応が進行することを重水素同位体効果から明らかにした。さらに、分子軌道計算から励起状態の反応性は水素引き抜き、電子移動ともに中心N原子上の正電荷の発現と相関し、特異な置換基効果を発現することを明らかにした。
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