研究課題/領域番号 |
05750790
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
林 輝美 熊本大学, 工学部, 助手 (70189653)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | リン酸型樹脂 / アルカリ金属イオン / ホスフィン酸型樹脂 / ホスホン酸型樹脂 / バッチ法 / カラム法 / 陽イオン交換樹脂 / 吸着分離 |
研究概要 |
グリシジルメタクリラート(GMA)-ジビニルベンゼン(DVB)球状共重合体(RG)を希釈剤として酢酸イソブチル(IBA)を用い懸濁重合法により合成した。RGをリン酸と加熱してリン酸型キレート樹脂(RGP)を得た。DVB量を変化させて橋かけ度の異なるRGP7種を合成した。 DVB量10mol%、希釈剤量140vol%を用いて合成したRGP(10)-140を用いて3種のアルカリ金属水酸化物(LiOH、NaOH、KOH)についてバッチ法によりアルカリ金属イオン相互間の選択性を評価した。また、比較のためにホスフィン酸型樹脂、ホスホン酸型樹脂についても同様に行った。いずれの樹脂もアルカリ性領域でリチウムに対して選択吸着性を示したが、RGPが最も高選択性を示した。選択性はリチウム>>ナトリウム>カリウムの順であった。次に、DVB量がアルカリ金属イオン間の選択吸着性に及ぼす影響をDVB量2.5〜25mol%と変化させて合成したRGPについて検討した。DVB量が増大するにつれてリチウム吸着量は僅かずつ減少したが、リチウム吸着量とナトリウムおよびカリウム吸着量との差は大きくなった。以上の結果より、RGPは3種のアルカリ金属イオン間で、リチウムに対して最も高い選択性を有し、DVB量が増大するにつれてその選択性が高くなることが明らかとなった。さらに、地熱発電熱排水の模擬溶液(Li^+:0.7mM、Na^+:45.7mM、K^+:3.38mM、Ca^<2+>:0.7mM、pH7.8)からのリチウムの吸着分離についてカラム法により検討した結果、リチウム濃度に対してナトリウムが65倍、カリウムが4.8倍存在する溶液中からでもリチウムが選択的に吸着されることが認められた。 以上、本研究において従来の陽イオン交換樹脂とは異なるナトリウムおよびカリウムイオンよりはリチウムイオンに対して高選択吸着性を有する樹脂、RGPを開発することができた。
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