研究課題/領域番号 |
05750793
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹腰 清乃理 京都大学, 理学部, 助教授 (10206964)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 固体NMR法 / 高分子混合体 / 相分離過程 / PS / PVME |
研究概要 |
高分子混合体の初期相分離過程における微視的な相構造の変化を固体NMR法をもちいて検討した。試料として、ポリスチレン/ポリビニルメチルエーテル(PS/PVME)を用いた。混合体のPSのみを区別して観測するために、PS主鎖の水素核を選択的に重水素置換し、重水素核の広幅NMRの線形を測定した。測定は市販の装置を改良して行った。下限臨界温度以上の温度で熱処理したPS/PVMEはPS-rich相とPVME-rich相に相分離する。相分離したPS/PVMEを測定したところ、相分離構造におけるPS主鎖の重水素NMRスペクトルは、分子運動のはげしいPVME-rich相中のPSのシャープな線形と運動性の乏しいPS-rich相中の幅の広い線形で与えられることがわかった。得られた重水素のNMR線形は、運動や局所構造を仮定して解析できる。そのためのNMR線形計算用のプログラムを開発した。測定された線形をシミュレーションにより二つに分離することで二相の相対的な割合が求められ、相分離の進行度合いがNMRにより検討できることが示された。臨界温度よりわずかに高い温度では濃度揺らぎは約50分で終了することがわかった。さらに、相分離による濃度ゆらぎの終了後も熱処理時間とともに二つの相のPSの構造が変化することが線形よりわかった。
|