研究概要 |
様々な生育特性を持つダイズ15品種を、根粒非着生ダイズT201とともに圃場栽培した.1品種につき15m^2の区を2反復設けた.生育期間中,4回にわたって地上部を採取し,全乾物量と全窒素含量を調査した.また3回にわたって生育中庸な2個体を選んで,アセチレン還元活性,根粒乾物重および根重を測定した.得られた結果から,乾物生産過程およびアセチレン還元法と差引法の両方による窒素固定活性を求め,これらの品種間差異について検討した. 根粒重当たりアセチレン還元活性ならびにm^2当たり根粒乾物重には品種間差異が認められたが1m^2当たりアセチレン還元活性にみられる品種間差異は主として,根粒乾物重の変異に起因していた.差引法によって求められる窒素固定活性にも品種間差異が認められ,異なる2つの方法による窒素固定活性推定値は有意な相関を示した. 品種,生育時期をこみにした場合,窒素固定活性(DNF gN/m^2/day)は子実肥大始(R5)までは地上部の生育量と直線的な関係(DNF=0.0017×TOPDW,r2=0.92)を示しながら増加した.しかしR5を過ぎるとDNFは低下する傾向にあった. 品種ごとにみた場合のDNFでは,R5までは新しい品種が旧品種に比べて優る傾向があったが,それには地上部の生育量が大きいことと地上部重あたりの窒素固定活性が高いことの両方が関連するようであった.R5以後のDNFにも品種間差異が観察され,4つの旧品種が早くからDNFを低下させた.これらの品種については根粒重が早くから低下する傾向が観察された.
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