まず以下のようなデータファイルを作成した。 ・植生調査表データファイル:植生調査表の記載事項がすべて含まれている。本年度は環境庁の第3回自然環境保全基礎調査により収集された3440地点の植生調査表をデジタル化した。 ・メッシュコードデータファイル:5万分の1の地形図の図幅名、地図中の位置(上下左右)、および二次メッシュコード。 ・自然環境データファイル:年平均・最寒月・最暖月平均気温、暖かさ・寒さの指数、年・寒候期・暖候期降水量、積雪深、植生・地形・地質・土壌分類、平均標高などが含まれている。 つぎに、このデータファイルを対象として以下のようなプログラムを開発した。 ・植物種名を入力すると、それが出現する地点の図幅名および地図名の位置を出力する。 ・図幅名および位置を入力すると、その二次メッシュコードを出力する。 ・二次メッシュコードを入力すると、その地点の自然環境データが出力される。 ・二次メッシュコードを入力すると、日本地図にその地点上が表示される。 このシステムを用いて試験的にハイマツ・ブナ・シラカシ・クスノハカエデについて、分布図の作成および出現地点の各種気候値の算出をおこなった。その結果、作成された分布図によりそれぞれの種の分布特性が把握された。またこの分布を規定する要因としては、降水量では大きな違いは認められず、おもに気温要因によって説明されることが示された。 今後、さらに本格的な解析をすすめていく予定である。
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