無菌的に栽培できる装置を製作し、栄養液を通液しながら、とうもろこし、ソルガム、トマト、大豆を無菌的に栽培した。栽培終了後、ポット下部に装着したXAD-4樹脂に吸着された疎水性物質はメタノールで脱着し、通過した液は、イオン交換樹脂で、塩基性、中性、酸性画分に分離した。根は、70%エタノールで抽出後酢酸エチル可溶物と水可溶物に分離した。また、Fusarium oxysporum とVerticillium dahliaeを接種して同様の操作を行った。各試料のF.oxysporumとV.dahliaeに対する抗菌活性をTLCbioautographyで調べた。 XAD-4吸着物では、Fusariumに対し無菌のとうもろこし、ソルガム、トマト、大豆に各1個、Verticilliumに対し各々1、1、0、1個の異なる抗菌スポットが見いだされ、菌接種によりそれらは2から4個に増加した。塩基性画分では、Fusariumに対して無菌のソルガム、菌接種したトマトと大豆に、Verticilliumに対して無菌のトマト、菌接種したトマト、ソルガム、大豆に抗菌活性が見られた。中性画分では、Fusariumに対して、全ての無菌作物、菌接種したソルガム、トマト、大豆に、Verticilliumに対して全ての無菌作物、菌接種したトマトと大豆に抗菌活性が見られた。酸性画分では、Fusariumに対して無菌のとうもろこし、ソルガム、トマト、菌接種したトマト、ソルガム、大豆に、Verticilliumに対して全ての無菌作物、全ての菌接種した作物に抗菌活性が見られた。根の酢酸エチル可溶物では、Fusariumに対して無菌のとうもろこしとトマト、菌接種したソルガム、とうもろこしに、Verticilliumに対して無菌及び菌接種したとうもろこしに各々1個の抗菌スポットが見いだされた。根の水可溶物では、両方の菌に対して無菌及び菌接種したソルガムに1個の抗菌スポットが見いだされた。しかし、各試料はいずれも微量で抗菌物質の同定まで至らず、栽培期間や栽培量等の改善が望まれた。
|