研究概要 |
1.好酸性細菌のrecA遺伝子の構造解析 好酸性細菌Acidiphilium facilis ATCC35904株のrecA遺伝子を含むプラスミドpAFR1の制限酵素地図を作製した後,MMS(メチルメタンスルホン酸)耐性及びUV耐性を指標にしてサブクローニングを行い,挿入断片を2.2kbまで小型化したプラスミドpAFR101を得た。pAFR101の2.2kbのDNA断片を用いてrecA遺伝子の塩基配列をダイデオキシ法により決定した。 A.facilisのrecA遺伝子は,354アミノ酸をコードする1062bpのオープンリーディングフレームからなり,コード領域のGC含量は62%であった。 2.A.facilis recA欠損変異株の作成 recA遺伝子の塩基配列及び制限酵素地図を参考にして,recAの構造遺伝子中のEcoR1部位にカナマイシン耐性遺伝子を挿入した変異遺伝子を作成した。作成した変異遺伝子をエレクトロポレーションによりA.facilis中に導入した後,カナマイシン耐性を示した株を選抜しrecA欠損変異株A.facilis OU1株を得た。 recA変異株を用いた形質転換 得られたA.facilis OU1株を宿主として,好酸性細菌用ベクター(pAH101,pAS101)による形質転換を行ったところ,定常期の菌体からもプラスミドが単離でき,組み込みを起こしていないことが判明した。本研究により,好酸性細菌Acidiphilium facilisの安定な宿主が調製できた。
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