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多アシル化アントシアニンの会合機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05760100
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生物生産化学・応用有機化学
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

吉田 久美  椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (90210690)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードアントシアニン / 花色異変 / 分子内会合 / 安定化 / 核磁気共鳴 / ゲンチオデルフィン / 立体配座解析 / 芳香族酸
研究概要

単純なアントシアニンは中性の希薄溶液中では不安定で速やかに水和退色するが、対照的に極めて安定なアントシアニンがある。これらの色素は、主として青色の花弁より単離され、いずれも分子内に複数個の芳香族有機酸を持つことから多アシル化アントシアニンと総称される。特異な安定性は、芳香族有機酸が母核の上下にサンドイッチのように分子内会合して、水和を抑えているためと説明できる。各種の機器分析データを用いたコンピュータ支援のコンフォーメーション解析によりこの会合機構の解明を試みた。
リンドウ青色花弁色素ゲンチオデルフィンは、デルフィニジン母核にグルコース3分子とコーヒー酸2分子(C1,C2)を持つジアシル化アントシアニンである。この色素の酸性溶液中での1HNMRを解析することにより、母核と糖の相互関係、コーヒー酸の距離情報、糖の6位の立体配座情報を得た。これらのデータをもとにした解析により、酸性溶液中では2個のコーヒー酸のうちB環グルコースに結合したコーヒー酸(C2)のみが母核に会合することを明らかにした。部分加水分解により得た2種類のモノデアシル化ゲンチオデルフィンについて同様の会合構造の解析を行ったところ、C2は分子内会合しており、C1は会合しないことがわかった。コーヒー酸の結合した糖6位のコンフォーメーションをさらに詳細に比較すると、C1が結合した糖6位はggコンフォーマ-であった。これにより、糖のコンフォーメーションとアシル基の分子内会合が直接的な関係にあることが明らかにできた。
本研究により、多アシル化アントシアニンの分子内会合の鍵が糖分子のコンフォーメーションであることが示された。今後、中性溶液中でのアントシアニンの会合構造をさらに精密に明らかにすることにより、花色の発現機構を解明できるものと考える。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kumi Yoshida: "Diglucuronoflavones from Purple Leaves of Perilla ocimoides" Pytochemistry. 33. 917-919 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Kumi Yoshida: "Stabilization and Color Variation of Anthocyanins with Inorganic Salts" Seventh Symposium on Salts. 2. 623-630 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Tsukasa Mori: "Formation of Anthocyanines from Cells Cultured from Different Parts of Strawberry Plantos" Journal of Food Science. 58. 788-792 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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