研究課題/領域番号 |
05760140
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉村 剛 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (40230809)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | シロアリ / 木材片 / 消化管 / 腸内共生原生動物 / 偏光顕微鏡 / 走査型電子顕微鏡 |
研究概要 |
環境と調和したシロアリ防除法の確率の基礎的研究として、シロアリによる木材の分解機構の検討は非常に重要な課題である。本研究では、これまでに研究例のない木材そのもののシロアリ体内での挙動を観察し、以下の様な知見を得ることができた。 1)シロアリ消化管中での木材片の形態学的変化-イエシロアリ職蟻消化管各部位(前腸、中腸、後腸)より取り出した木材片を走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果、(a)前略では木材の分解は生じないこと、(b)中腸部分では木材の表面に部分的な分解の徴候が認められること、および(c)後腸末端部の内容物はそのほとんどが不定形の代謝廃物であったが、一部未消化の木片も含まれていること、が明らかになった。この事から、シロアリにおける木材の分解は主として後腸において生じる事が確かめられたが、中腸部分での部分的分解もまた推察された。 2)以上の結果より、後腸中に共生している原生動物3種の役割が重要視されたため、これら原生動物の木材などセルロース系物質の取り込みおよびその体内での形態変化について検討を行った。偏光顕微鏡による観察から、セルロース系物質はその大半が、3種の内より大型である2種に取り込まれ、最小型種にはほとんど取り込まれない事が明らかになった。この事実は、我々がこれまでに行ってきた実験結果-イエシロアリ腸内共生原生動物種で、木材の分解においてそれぞれ役割分担がある-を支持するものであった。これら大型2種原生動物体内での木材の形態について現在観察を行っているところである。
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