研究概要 |
穀物の呼吸特性を窒素79%、酸素21%の通常大気条件下で温度0,10,20,30,40℃、含水率15,18,21,24%,wet basisの範囲について1ppmオーダーまで測定可能な高精度の炭酸ガス濃度測定装置で測定した。その他のCA環境条件下における呼吸特性については継続測定中である。その結果、穀物の呼吸特性は温度との関係と同様に含水率についても指数関数的に上昇する傾向を示すことが明らかとなり、化学反応速度としての呼吸速度の温度依存式であるArrhenius則に従い、かつ活性化エネルギーが穀物に含まれる含水率に比例するとした次式を呼吸速度式として提案し、穀物ごとのパラメータを求めた。 R=exp(a+(b+cM)/T) R:呼吸速度(mgCO_2/h・kg dry matter) , M:含水率(decimal,dry basis) , T:穀物温度(K) , a,b,c:パラメータ 穀物ごとのパラメータの値は次のとおりである。 籾:a=20.055,b=-789.3,c=66.732 小麦:a=23.101,b=-8863.8,c=65.921 ビール大麦:a=23.027,b=-9302.2,c=82.037 この成果により、穀物の最適乾燥条件や貯蓄時の温度上昇を推定することが可能となる。また、ソバや大豆についても測定を行っており、近くその成果を学会誌に報告するとともに、国際学会で発表する予定である。
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