研究概要 |
1.有効容積101の断熱発酵槽を用い,スラリーポンプ及びイジェクタによって攪拌曝気を行った。投入試料は7kg,曝気量0.7/min/D.M.とし曝気:休止=1:3の間欠曝気を行い,その間の溶存酸素濃度(DO)を連続測定した。曝気開始とともにDOは上昇するが曝気停止すると検出できない程度に急速に低下した。したがって曝気高率を向上させるためには間欠運転よりも,固形物濃度(TS)を最適化してDOを確保することが重要であると考えられた。そこで以下の実験を行った。 2.乳牛ふんスラリーのとTSとDOとの関係を知る目的で、TSを3〜0.46%d.b.に調製したスラリー1.3kgに0.041/minの空気を30分間攪拌しながら曝気を行って,その間のDO値を連続測定した。スラリーの温度は20℃一定とした。得られた結果は以下の通りである。 (1)曝気開始DO値は急激に上昇するが,10分後には安定し平衡に達した。 (2)TSが3%以上では,DOは検出できなかった。 (3)平衡に達したときのDOはTSの減少に伴って直線的に上昇した。 3.実験1.で用いた発酵槽でTS濃度の異なるスラリーに96時間連続曝気を行って発行状態を測定した。有機物(VS)除去率,COD除去率などの測定値から,DOの検出されないTS濃度では,好気性発酵があまり進まず,TS濃度が2%程度のとき最も発酵が進行した。したがって、実用的には,TS濃度を2%程度となるように希釈することが望ましいと言える。
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