本年度では以下の研究成果が得られた。 研究課題を進める過程でまず、下垂体系について研究を行った。 1)両生類のアフリカツメガエル下垂体より新たにプロラクチンを単離、精製することに成功した。その結果、この動物では2種類の等電点の異なるプロラクチンが得られ、一次構造を解析したところ、一部のアミノ酸配列の異なる2つの分子種を持つことが明らかになった。 2)数種類の両生類の下垂体における成長ホルモン分子の特性をすでに得られているウシガエル成長ホルモンに対する抗体を用いて免疫化学的及び免疫細胞化学的に調べた。その結果、無尾類(アフリカツメガエル、ヒキガエル)の成長ホルモンはお互いによく似るが、有尾類(アホロートル、イモリ)の成長ホルモンは無尾類のそれとかなり異なることが示された。 3.有尾類のイモリ下垂体系の研究の過程で同動物が生殖時期に異性を引きつける性誘因物質をもっていることが示され、同物質の単離、精製を進めた結果、これまで未知のペプチド性物質であることが明らかになった。
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