東大病理学教室及び東大病院分院において、解剖された症例を50才台、60才台、70才台、80才台各々15〜20例選び、又、Parkinson病、あるいはParkinsonismと診断された症例を同様に50才台3例、60才台5例、70才台5例 80才台2例選びだし、黒質および青斑核の画像解析(カ-ルツァイス社IBAS2000)を行い、細胞体面積、核面積、それらの比、を分散分析にて検討した。その結果、70才台以上では、臨床症状のない症例間でも、各個体間で分散に有意差が見られた。(p<0.05)又、Parkinson病あるいはParkinsonismと診断された症例では、主として、黒質内側に神経細胞の脱落と細胞の分散分析による個体間格差が認められた。ただし、生前強力な化学療法を施された症例では、黒質の有意な細胞減少と、neuromelaninの減少を認めた症例が数例みられ、今後の検討課題と考えた。さらにParkinson病、Parkonsonismでは、細胞体/核面積比において、やや小型の細胞と大型細胞との二峰性を示す症例があり、これらの細胞の由来、中間細胞のような細胞の存在について、さらにつさとめていく必要があると考えた。又、免疫組織化学においては、各個体間に有意差は認められなかった。
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