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ウナギ腎芽腫の原因遺伝子の単離とヒトWilms腫瘍遺伝子(WT1)との分子比較

研究課題

研究課題/領域番号 05770140
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 実験病理学
研究機関東京大学

研究代表者

中鶴 陽子  東京大学, 医学部, 助手 (00237314)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードウィルムス腫瘍 / がん抑制遺伝子 / ウナギ腎芽腫
研究概要

ウィルムス腫瘍は出生約一万人に一人の割合で乳幼児期に発生する腎臓腫瘍の一つで、近年ウィルムス腫瘍が多発するWAGR症候群で染色体欠失の認められている第11番染色体13qに位置する遺伝子(WT1)が単離された。WT1遺伝子が癌抑制遺伝子である可能性が提起され、数症例で遺伝子の異常も報告された。我々はウナギにおいて、病理組織学的にヒトウィルムス腫瘍ときわめて類似した腎芽腫が多数自然発生することを見いだした。ヒトのWT1遺伝子が胎児期の腎芽発生の時期に特に発現することから、ウナギに発生する腎芽腫はヒトウィルムス腫瘍の発生機構を考える上できわめて有用なモデルになると考えられた。
ヒトWT遺伝子をプローブとしてウナギDNAについてSouthern hybridizationを行ったところ、 hybridizeするbandが認められたことから、系統的にヒトと隔たった種においてもこの遺伝子はよく保存されていることが予想され、ウナギよりWT1遺伝子を単離し、ウナギ腎芽腫におけるWT遺伝子の関与について検討を行った。ヒトWT遺伝子との塩基配列の相同性はzincfinger domain内で78%と高率であった。また、アミノ酸レベルでの相同性は75%であり、類似アミノ酸配列を加えると90%であった。さらにzinc finger domainにおけるアミノ酸のconsensus sequenceはすべて一致していた。従って、WT1遺伝子内のzinc finger domain領域は非常によく保存された重要な遺伝子の構成部分であることが明かとなった。また、ヒトWT遺伝子の各臓器での発現は胎生時の腎臓、精巣及び脾臓で認められるが、RT-PCRを行った結果ウナギの場合も同様に腎臓及び精巣で発現していることが判明した。成魚ウナギの場合、腎臓は造血機能を兼ね備えた前腎および後腎から構成されているがWT1遺伝子の発現は両腎臓で認められた。しかし、WT1遺伝子のzinc finger部分の変異について腫瘍で検討を行ったが、現在までのところ遺伝子の異常は検出されなかった。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

研究成果

(4件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] 中鶴陽子: "Age dependence of O^6-methylguanine-DNA methyltransferase activity and its depletion after carcinogentreatment in the teleost medaka(oryzyas latipes)." Mutation Res.293. 224-231 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 中鶴陽子: "O^6-methylguanine-DNA methyltransferase protects against nitrosamine-induced hepatocarcinogenesis." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 90. 6468-6472 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 中鶴陽子: "Tumor promotion by fecapentaine-12 in a rat colon carcinogenesis model." Carcinogenesis. 14. 1261-1264 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 中鶴陽子: "O^6-methylguanine-DNA methyltransferase activity in human lung persists with advancing age." Gerontology. (in press). (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1993-03-31   更新日: 2016-04-21  

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