研究概要 |
MHC classIIに対する抗体(TJA64)を10^7のLeukcyto adhesion deficiency sysndrome (LAD)より樹立された細胞株に作用させ、これを免疫源としてBalb/cマウスに免疫した。最終免疫後三日めにマウスミエローマcell line SP2/0と型のごとくfusionし、TJA64によりLAD lineに誘導された同種細胞接着(HA)を阻害する単クローン抗体をscreeningした。HAを一部阻害するクローン1D8,1H4を得、これのcharactrizationしたところそれぞれ抗CD11a,CD18抗体であることが判明した。より強力に阻害するRT22クローンは細胞株、組織切片等での反応性はLFA-1分子に対するものであることが推測されたが、その分子量はIgGより軽く、不完全抗体である可能性が考えられた。このcharactrizationは現在進行中である。 またscreeningの第一段階としてLADにHAを誘導するものを同時に検索したが、その過程で得られた抗体TL-1はCD44分子を認識していた。この抗体で誘導されるHAはLFA-1,ICAM-1,alpha4-integrin,L-selectinに対する抗体では阻害されず、他のCD44抗体であるHermes 3,OS/37,BU52でblockされた。種々の代謝阻害剤を用いた検索ではこのHAはエネルギー依存性、温度依存性で細胞内シグナリングの関与が考えられ、また細胞内アクチンフィラメントも関わっていた。このようにCD44に対する抗体で引き起こされるHAが他のCD44抗体でblockされたことからCD44分子のconformatinal changeがHAを惹起したと考えられた。このような機序はLFA-1分子では報告されているがCD44分子では他に報告をみず、あらたな知見と考えられた。この現象については病理学会総会などで報告することとなっており、論文も準備中である。
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