研究課題/領域番号 |
05770202
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
岩本 亮 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10213323)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ジフテリア毒素 / HB-EGF / DRAP27 / CD9 / 増殖因子 |
研究概要 |
近年、ジフテリア毒素(DT)非感受性のマウスL細胞に毒素感受性を与える遺伝子の産物が、細胞増殖因子Heparin-binding EGF-like Growth Factor(HB-EGF)の膜結合型前駆体であることが報告された。しかしながらジフテリア毒素リセプター(DTR)がHB-EGFである直接の証拠は示されていない。HB-EGFの発現によってDTR遺伝子の発現が誘導される可能性もあるからである。そこでまず報告者らは、細胞増殖因子活性を持ったリコンビナントHB-EGFがDTと直接結合できること、抗HB-EGF抗体とDTをプローブに用いたウェスタンブロッティングにおいてどちらも同じ分子種を認識することなどから、膜結合型HB-EGFがDTRであることを直接証明した。 また膜蛋白質DRAP27/CD9は、それ自身はDTと結合しないが、その発現によって、リセプターと細胞膜上でアソシエ-トし、毒素結合数及び細胞の毒素感受性を増加させることが、これまでの報告者らの研究から明らかとなっている。このメカニズムを明らかにするために、マウスL細胞にDTR/HB-EGF、DRAP27/CD9、又はその両方を発現させたところ、DTR/HB-EGFとDRAP27/CD9の両方を発現している細胞はDTRのみの場合に比べて、10倍以上の毒素結合量及び感受性を示したが、毒素とリセプターの結合におけるアフィニティーは全く差がなかった。また、DTR/HB-EGFのmRNA量にも全く差がみられなかった。さらに抗HB-EGF抗体の細胞表面への結合から、それぞれの細胞表面におけるDTR/HB-EGF分子の発現量は、DRAP27/CD9の有無で差はないことがわかった。これらのことからDRAP27/CD9は、HB-EGF分子とアソシエ-トすることで膜結合型HB-EGF分子の数そのものは増やさずに、DTRとして働く機能的なHB-EGFを“all or nothing"式に増やしていることがわかった。
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