研究課題/領域番号 |
05770226
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 智 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10242116)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | IL-5 / IL-5レセプター / サイトカイン / サイトカインレセプター / シグナル伝達 |
研究概要 |
インターロイキン5(IL-5)は、B細胞、好酸球などの血液細胞の増殖分化に深く関与している。IL-5受容体は、IL-5を特異的に結合するalpha鎖とIL-3、GM-CSF受容体に共通でシグナル伝達に重要なbeta鎖とから構築される。本研究では、IL-5受容体の活性化機構および細胞増殖、腫瘍化との関連について検討した。 1.細胞内領域を欠失したマウスIL-5受容体alpha鎖をIL-3依存性細胞株FDC-P1に発現させたところ、正常なalpha鎖の場合と同様に高親和性受容体が構築されたがIL-5依存性の増殖はみられなかった。IL-5受容体ではbeta鎖ばかりでなくalpha鎖の細胞内領域もシグナル伝達に重要であることが示された。次にalpha鎖の細胞内領域に6アミノ酸残基の欠失を持つ4種の変異alpha鎖を作製しalpha鎖の細胞内機能部位の同定を試みた。C末端側の欠失はIL-5依存性の反応に全く影響しなかったが、IL-5、IL-3、GM-CSF受容体の各alpha鎖でよく保存されているプロリン残基に富む配列の欠失は、IL-5依存性の増殖、細胞内蛋白質のチロシン残基のリン酸化、c-jun、c-fos、c-mycなどの核内初期応答遺伝子群の発現を著しく障害した。alpha鎖細胞内領域の膜貫通部直下のプロリン残基に富む配列が重要であることが明らかになった。 2.IL-5依存性細胞を高い細胞密度で継代したところ、IL-5を含まない培養液中でも増殖しヌードマウスに腫瘍形成能を持つ細胞株が得られた。この細胞株のIL-5受容体の発現量は親株に比し変化していなかったが、培養上清中にIL-5が分泌されていることがわかった。IL-5のオートクリン機構により腫瘍性増殖を示す例があることが示され、現在この細胞のIL-5産生機構について解析を行っている。
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