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安定同位体分析による人骨中鉛の起源とその時間的変遷に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05770258
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 衛生学
研究機関国立環境研究所

研究代表者

吉永 淳  国立環境研究所, 化学環境部, 研究員 (70222396)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード安定同位体分析 / ICP-MS / 鉛 / 骨 / 汚染源同定
研究概要

人骨中の鉛安定同位体分析を誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)により測定し、鉛汚染源の推定をすることを目的として実験を行った。人骨中の鉛が非常に膨大なマトリクス(カルシウムおよびリン)の中に微量(カルシウムの約1/50,000、リンの約1/25,000)存在するために、同位体比の測定が困難で、分析手法そのものの検討が主になった。
高塩濃度の試料に弱いICP-MSでは、人骨試料を測定する場合、試料を約5000倍希釈する必要がある。この結果、多くの場合検液中鉛濃度は1ng/mL未満となり、正確な同位体比分析ができなくなるので、まず人骨から鉛の分離濃縮を検討した。キレート剤(APDC/DDC)を用い、キシレン中に液-液抽出したところ、用いた器具からの鉛の汚染が無視できない量であることが判明した。次いで汚染の可能性の低い方法として、検液の希釈倍率を下げ、濃い溶液を少量(50muL)だけICP-MSに導入するフローインジェクション(FI-ICP-MS)法を検討した。NISTの鉛標準試料(NIST981、982)を用いた検討では、10ng/mLの鉛溶液の同位体比測定精度は、207/206、208/206とも、2〜3%程度であり、通常の連続噴霧法に比べてやや劣る結果であった。しかし、この精度でも例えば古い鉱床であるオーストラリアのMt.Isaの鉛と比較的新しい日本の鉛との分別は可能であることが判明した。
この方法で1987〜1988年にかけて採取した日本人老人の肋骨の鉛同位体比分析を行った。208/206は2.118〜2.145の幅で変動し、207/206は0.873〜0.885の幅で変動した(いずれもN=4)。この骨中鉛の安定同位体比は、東京や北海道の大気粉塵中の鉛の値より、自動車排出粒子中のそれに近かったが、測定の精度の限界により、これ以上の考察は不可能であった。今後よりよい精度を目指す必要がある。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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