兵庫県T市立健康センターは、年間約3千人に対し、健康診断をもとに栄養指導、運動指導などの生活週間に関する指導を行っている。生活習慣のうち「休養」については、健康に及ぼす影響を定量化することが難しく、その指導方法も確立されていない。当センターでは生活状況に関する問診から休養状況をA(休養十分)、B(ふつう)、C(やや不十分)、D(不十分)の4つのランクに分類し、「休養判定」として成績表に記載している。 本研究では、この休養判定を休養指導に活用するため、まず1988年度から1992年度までの5年間の利用者(30〜59歳)について、性、年齢階級別に各判定を受けた者の割合をみた。それによると1992年度において、男では30歳代でA判定が47%、Bが43%、Cが9%、Dが1%、40歳代でそれぞれ51%、40%、9%、0%、50歳代でそれぞれ60%、35%、5%、0%、であり、A判定の者は年齢が高いほど多くなり、この傾向は5年間変わらなかった。女では年齢階級による差、また年度による差を認めず、Aが約57%、Bが35%、Cが8%、Dが1%であった。男において年齢階級別にみられた差が具体的にどの生活習慣の差によるかをみるため、休養判定の構成要素のうち生活リズム、睡眠状況につき年齢階級別に分析した。生活リズムは「規則的」の者が30歳代で34%、40歳代で43%、50歳代で54%であった。睡眠状況は「よく眠れる」者が30歳代で74%、40歳代で80%、50歳代で81%であった。以上より若年者において睡眠習慣を含め生活リズムを規則的にするよう指導する必要が示唆された。 これらの結果をもとに、平成6年度からはさらにストレスに関する問診を行い、休養状況とストレスとの関連から個人によりストレスの受けやすさが異なることを考慮しつつ休養指導を行い、その効果を評価していく予定である。
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