乳幼児突然死症候群(SIDS)を始めとした乳幼児突然死例における病理組織学的検査では、ウィルス感染などが特に肺などで疑われるものの、死因の決定に際し、苦慮することが少なくない。ウィルスや細菌などの感染に対する炎症反応を把握することは、剖検診断に際し、一つの有力な補助診断となり得ると思われる。そこで今回、炎症反応に伴なうヒスタミンの動向を免疫組織学的に明らかにすることを試みた。 現在東京慈恵会医科大学法医学教室における剖検例より、化膿皮膚や喘息肺を選び、ヒスタミン陽性コントロール群として免疫組織化学的に抗ヒスタミン抗体を用いた酸素抗体法(ABC法)による染色を行い、ヒスタミンの局在性やその意義について検討を加えている。今後さらに、ウィルスが検出されている明らかなv-irus感染症や乳幼児突然死症候群(SIDS)を始めとした乳幼児突然死例について同様に行い、法医学領域でのヒスタミン染色の意義や有用性について明らかにしていきたい。
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