Sjogren症候群(SS)患者40例と健康成人15例の末梢血DNAについて、2つのリウマチ因子関連germline遺伝子(VgとHumkv325)の再構成を検討した。Vg遺伝子はSS患者の18例(45%)において再構成bandが認められたが、健康成人では1例も認められなかった。また、Humkv325遺伝子はSSの2例(5%)において再構成bandが認められたが、健康成人においては1例も再構成bandは認められなかった。以上の事実より、日本人のSSにおいてVg遺伝子が高頻度に再構成している事が判明し、この事がSSにおいて単クローン性病変の発生しやすい一つの原因と考えられた。 今後は1)更に症例数を増やし(SS約200例および健康成人約120例についてDNAは既に採取済み)、更に病変組織(小唾液腺・リンパ増殖性病変・悪性リンパ腫等)のDNAについても同様の検討を行う。2)目的の再構成bandのDNAの塩基配列を決定し、元のVg遺伝子とのhomologyを検討し、hypermutationなしに再構成している事を確認する。3)病変組織(小唾液腺・リンパ増殖性病変・悪性リンパ腫等)においてRNAprobeを用いて、Insituhybridizationを施行し、その局在を検討することにより、SSと単クローン性病変の関係を更に詳細に検討する予定である。 また、他の膠原病についても同様の検討を行い、Vg遺伝子の高頻度の活性化がSSに特異的な現象であるのか、あるいは膠原病一般に見られる現象であるのかを検索する予定である。
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