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Apoptosisを抑制するbcl-2遺伝子導入ヒト癌細胞の抗癌剤耐性誘導機構

研究課題

研究課題/領域番号 05770338
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 内科学一般
研究機関国立がんセンター

研究代表者

西尾 和人  国立がんセンター, 薬効試験部, 研究員 (10208134)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードアポトーシス / bcl-2 / 抗癌剤
研究概要

bcl-2遺伝子をネオマイシン耐性遺伝子を含むベクターに組み込み、ヒト小細胞肺癌細胞株SBC-3にリポフェクション法により遺伝子移入し、ネオマイシンによるセレクションによりSBC-3/Bcl-2を得た。SBC-3/Bcl-2細胞の各種抗癌剤に対する感受性の変化をMTT法により検討したところ、親株であるSBC-3細胞をcisplatin、etoposide、ACNU、adriamycin、methotrxate、CPT-11、taxol、mitomycin C に接触させることにより、アポトーシスの指標であるDNAのフラグメンテーションが観察された。
SBC-3/Bcl-2はこのうちのadriamycin、CPT-11、mitomycin Cに対しSBC-3細胞と比較してそれぞれ3.4、7.6、5.7倍の耐性を示した。その他の薬剤に対しては耐性を示さなかった。さらにトランスフェクタントが耐性を獲得した薬剤において親株でDNAフラグメンテーションが認められる濃度の薬剤ではSBC-3/Bcl-2ではDNAフラグメンテーションが認められなかった。以上により、(1)ある種の抗癌剤の抗腫瘍活性にアポトーシスが関与していること(2)bcl-2遺伝子がアポトーシスを抑制することにより細胞の抗癌剤感受性を低下させ得ること(3)抗癌剤が関与するアポトーシスにはbcl-2遺伝子により抑制される経路と抑制されない経路があることが示された。
抗癌剤の作用機転とのアポトーシスとの関わりについては、耐性を示すadriamycin、CPT-11、mitomycin C がそれぞれトポイソメラーゼII阻害、トポイソメラーゼII阻害、DNAのアルキル化であり、DNA障害能をもつ以外は共通性が見い出せず、今後の作用機序の検討が必要と考えられた。
アポトーシスに関与すると考えられる因子に働く薬剤のSBC-3/Bcl-2に対する感受性の変化のスクリーニングではProtein kinase A,C阻害剤、刺激剤、superoxide産生剤、cdc2キナーゼ阻害剤等を検討したが、明確な感受性の変化は認められなかった。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ohmori,T.,Nishio,K.et al.: "Apoptosis of lung cancer cells caused by some anti-cancer agents (MMC,CPT-11,ADM)is inhibited by bcl-2" Biochem.Biophys.Res.Commun.192. 30-36 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Okamoto-Kubo,S.,Nishio,K.et al.: "Apoptosis induced by etoposide in small-cell lung cancer cell lines." Cancer Chemother.Pharmacol.33. 385-390 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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