研究概要 |
肝細胞内グルタチオン(GSH)はcysteineの供給量がその産生を律速する。循環中のcysteineは直接肝細胞には取り込まれず、肝GSH合成には、我々の報告したrGTPを介する基質供与の他、transsulfuration pathwayによりmethionineを利用しうる。Cystathionaseは後者の反応の最終段階を触媒しcysteineを生ずる。 1.図に示すように、ヒト、guinea pig肝のrGTP活性は最も高く、逆にcystathionase活性は最も低い。一方、rat、dog、mouseでは低rGTP、高cystathionase活性を示した。 2. Fetal ratの肝rGTPは17.2±1.0mumoles/min/gで、adult ratでは3.0±0.5mumoles/min/gと約6分の1に低下する。逆に、cystathionase活性は1,2±0.3mumoles/min/gから6.2±0.5mumoles/min/gと約5倍に増加する。 結論:rGTPおよびcystathionase両酵素の、基質(cysteine)の供給を介し、互いに補完的に肝GSH濃度の維持に働く可能性について示した。
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