研究課題/領域番号 |
05770378
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
高田 伸夫 東邦大学, 医学部・附属佐倉病院・内科学, 助手 (50216660)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / アルコール / HCV-RNA力価 / ウイルス増殖促進作用 |
研究概要 |
平成5年度は、C型肝炎ウイルス(HCV)のRNAが血中に検出された11例の大酒家肝障害患者(大酒家慢性肝炎例10例とアルコール性肝硬変患者1例、全例が男性)を対象とし、禁酒後の経時的血中HCV-RNA量の変化について観察した。HCVの検出は、RT-PCR法でNS5領域のHCV-RNA(HCV-NS5)を検出し、その消失の有無で半定量を行い、RT-PCR法とhybridizatin法で、noncoding領域のHCV-RNA(HCV-5'NC)力価を測定した。まずHCV-NS5の推移をみると、11例中5例(45%)で禁酒後1から2週間でRNAの陰性化を認めウイルス量が減少したと考えられた。そこで、HCV-5'NCの力価を測定すると、これらの5例では全例で低下していた。残りの6例では、禁酒によるHCV-NS5の消失もHCV-5'NCの力価の低下も認めなかった。次にHCVの遺伝子型とHCV力価の関係についてみると、今回の検討ではK1型が8例とK2a型が2例であったが、HCV力価の低下はそれぞれ半数ずつに認められ、両者の間には関連を認めなかった。文部省科学研究費総合研究(A)高田班の診断基準に従って、各症例を「アルコール+HCV(AL+C)性」と「HCV(C)性」に分けて検討すると、AL+C性の4例では全例で禁酒によるHCV力価の低下を認め、C性の1例(14.3%)でも低下を認めた。以上の結果より、アルコールはHCVの増殖に対して促進的に作用している可能性を強く示唆していると考えられた。今後、禁酒による肝組織内のHCV量の変化を観察するため、現在症例の検討を行っている。
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