喘息患者における気道拡張薬がどの気道を拡張させるのかという疑問は治療上必要である。気管支喘息患者に気管支鏡を用いて外径2mmの超小型圧センサーとそれに続く外径1mm長さ1mの導線を口腔から末梢気道へ楔入する。気管支鏡を取り除き、口腔流量と食堂内圧より末梢気道抵抗(Rp)を直接測定する。末梢気道抵抗を直接測定しながら、beta_2刺激剤、抗コリン剤、及びアミノフィリンを別々に投与した。 結果はbeta_2刺激剤は中枢及び末梢気道共拡張効果を示し、抗コリン剤は主に中枢気道拡張効果を示した。アミノフィリンは末梢気道を主に張張した。これらの気道拡張剤の作用部位が異ることから、これらの薬剤は同時に用いた方が全気道拡張効果を有効に示すと考えられた。 気管支喘息は全人工の3%と多いが治療法については確立されていない。私共は超小型圧センサーを試作し、喘息患者の末梢気道に楔入、末梢気道の換気を防げることなく、末梢気道内圧を測定し、末梢気道抵抗を直接測定する方法を開発した。本装置を用いてメサコリン吸入時の末梢気道過敏性を直接測定し、末梢気道が気道過敏性を決定していることを報告してきた。アミノフィリンは末梢気道のみ拡張させるため一秒率は不変でも自覚病状改善させると考えられた。
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