漏出性胸水中に浮遊する胸膜中皮細胞の単離・培養過程における線維芽細胞の混入の回避を中心に、中皮細胞の純度を高める基礎的検討を推し進めている。ラット胸膜中皮細胞を用い、トロンビンを中心とした種々の刺激によるエンドセリン産生を検討してきた。その結果、エンドセリン産生はトロンビン刺激4時間後より検出され、24時間後にプラトーに達した。更に、その産生はトロンビンの濃度に依存していた。また、無刺激の状態においてもエンドセリン産生は培養8時間後より検出され、24時間後にプラトーに達した。アンギオテンシンII刺激にても、濃度依存性のエンドセリン産生を認め、1、10μMにてコントロールに比し有意な産生を認めた。バゾプレッシン刺激においては、エンドセリン産生に何ら影響を及ぼさなかった。N^G-Monomethyl arginine刺激においても濃度依存性のエンドセリン産生を認め、100μMにてコントロールに比し有意な産生を認めた。更に、cDNAプローブを用いmRNAの発現を検討中である。
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