研究概要 |
1。(研究計画の(3)に対応): 線条体のdopamine(DA), norepinephrine(NE), 5-hydroxytryptamine(5-HT)放出に対するシナプス前glutamate(GLU)受容体の関与をin vivo micro-dialysisを用いて検討した。ラット線条体にprobeを刺入し, L-GLU, NMDA,Kainate(KA),AMPA(20〜62500muMのいずれかと500muM glycineを含むRinger液で線条体を局所灌流し,灌流液中のDA,NE,5-HTと代謝産物をHPLC/ECDにより測定した(n=32)。次に同様の実験をNMDA受容体拮抗薬(MK-801 5mg/kg)の腹腔内投与後に行った(MK-801群,n=22)。L-GLU,NMDA,KA,AMPAは用量依存性にDA,NE,5-HTの放出を増加させた(p<0.01,ANOVA)。MK-801群では,L-GLU.NMDAによるDA放出,NMDAによる5-HT放出は抑制された(p<0.05)が,KA.AMPAによる放出は抑制されなかった。以上より,モノアミン作動性神経線維にシナプス前NMDA受容体およびAMPA/KA受容体が存在し,モノアミン放出に対し促進的に作用すると考えられた。 2。(研究計画の(4)に対応):上記と同様にラット線条体にprobeをセットし、プルシネリの方法により前脳虚血を負荷したところ、虚血20分後にはDA、NE、5-HTの放出増加が認められ、これはGLU放出と相関関係を示した(p<0.05)。これは、虚血時のモノアミン放出機序へのシナプス前GLU受容体の関与を示すものと考えられた。
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