本年度の研究費で購入した位相倒立顕微鏡を昨年度購入の防振台、パッチクランプ用増幅器などの機器と併せてセッティングを行った。ただ、マイクロマニピュレータがパッチクランプ用のものでなく、操作が非常に難しい。また、温度管理用のモジュールがないため、温度管理に支障を来している。波形表示用のデータストアレージスコープもないため、波形表示に困難がある。 以上のように現在手元にあるシステムは未完成のため、共同研究施設の設備を拝借しながら、継代培養したラットの血管平滑筋細胞のパッチクランプを試みている。 現時点では初代培養でパッチクランプを行うのは手技的な困難があるが、将来可能となるであろう。血管平滑筋細胞は動脈のみ行っており、当初計画していた静脈との比較実験は行えていない。 研究設備が充実して実験装備を自由に使用できるようになれば、計画通りの動静脈間の差異を明らかにできると考えている。
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