研究概要 |
これまでわれわれは,心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP),脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP),Cタイプ・ナトリウム利尿ペプチド(CNP)について,臨床病態との関連を検討してきた.しかし,BNPについてはその後の検討で,測定法にやや問題を残しており,データの解析についてはまだ検討中である.またCNPは中枢神経系疾患との関連が示唆されるものの,心疾患との関連はほぼ否定的である.これらナトリウム利尿ペプチドファミリーについては,第90回日本内科学会講演会に. “心疾患,脳血管障害における血漿および髄液中のナトリウム利尿ペプチド(NP)ファミリー濃度."として発表し,現在もデータを蓄積中である. 一方,循環ペプチドとして他のペプチドについても検討を加えた.現在われわれが注目しているものは,神経ペプチドとして存在が知られているbetaエンドルフィン,およびエンケファリンとカテコラミンとの関連である.心不全時の体液性因子としてこれらのペプチドも関与しているとの報告もあり,それらについても追試を試み,ある程度まとまった知見が得られた.これに関しては. 第41回日本心臓病学会学術集会にて"急性心筋梗塞(AMI)におけるOpioid peptide(OP)分泌動態の検討."として発表し,"急性心筋梗塞におけるopioid peptide分泌動態の検討"(仮題),および"ICU患者における精神活動とopioid peptideについて"(仮題)として投稿準備中である.さらに,betaエンドルフィン,エンケファリンとナトリウム利尿ペプチドファミリーとの,急性心筋梗塞における関連,心疾患リハビリテーション時おける関連を検討中である.
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