研究概要 |
研究1.Cyclic flow variations(CFVs)に対する薬理学的検討: 酸化窒素のCFVsに対する効果;L-arginine,Nitroprusside(NP),lsosorbide dinitrate(ISDN),Nitroglycerine(NTG)のCFVsに対する効果を検討した。L-arginine投与群(n=6)では、CFVsの発生頻度は有意に減少し(p<0.05)、平均冠血流量は有意に増加した。(p<0.05)NP投与群(n=6)では、CFVsの発生頻度は有意に減少したが(p<0.05)、平均冠血流量に差はなかった。ISDN投与群(n=6)およびNTG投与群(n=6)では発生頻度・平均冠血流量に有意差はなかった。L-arginineのCFVsに対する効果は、L-arginineにより酸化窒素が血管内皮および血小板で合成され血小板凝集を抑制させたものと考えられた。一方、NP薬と有機硝酸薬(ISDN,NTG)の効果の相違は、血管内皮細胞、平滑筋細胞および血小板における酸化窒素合成経路の違いによるものと推測された。CFVsを呈するモデルの血栓形成過程の一因に、酸化窒素は重要に関与しているものと推測された。 研究2.Cyclic GMPの定量 冠動脈標本を用いて、冠血管内皮細胞および血小板におけるcyclic GMP量を測定した。測定は、[^<125>l]cyclic GMPを用いたラジオイムノアッセイ法を用いた。しかし、冠動脈血管内皮細胞内のcyclic GMP濃度は感度以下で測定し得なかった。
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