研究概要 |
1.SSCP(single strand confromation polymorphism)による血友病B患者DNAにおける変異のスクリーニング:血友病B患者のうちで第IX因子抗原が存在しない変異病型であるCRM-(cross reacting material)10例と第IX因子抗原が存在する病型CRM+2例においてエキソンa〜hとそれぞれのスプライスジャンクションを含む領域についてPCRした。PCRされたフラグメントをホルママイドを含むnon-denatureゲルに泳動し高次構造をとったDNAのバンドの位置を観察することにより変異部位の存在するフラグメントをスクリーニングした。すでにエキソンhに点変異の同定されているCRM+の2例(血友病B桐生、高槻)において未検索であったエキソンa〜gでスクリーニングを行い正常バンドと移動度に差をみとめなかった。CRM-の2例においてエキソンhのスクリーニングで正常とは移動度のちがうバンドを認めた。 変異部位の塩基配列解析:今回、SSCPによるスクリーニングで正常とは移動度の異なったCRM-の2例についてゲノムDNAを鋳型としてPCRしたフラグメントを、TA-cloning Kit(Invitrogen)を用いてプラスミドクローニングしたのちダイデオキシ法により現在塩基配列解析中である。 3.Hinf Iポリモルフィズムを用いた血友病B桐生における家系解析:すでに31,059T→Aの点変異が同定されている血友病B桐生家系に関して、この点変異により新たにHinf Iポリモルフィズムが生ずることを用い、家系解析を行った。その結果は、凝血学的解析に一致するものであった。
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