メラニン産生に関与するモノADPリボシル転移酵素とリボシル化される蛋白を明かにするため、マウスB16メラノーマ培養細胞のホモジネートを^<32>P-NADとともにSDS-PAGEを行い、オートラジオグラフ ィーにてモノADPリボシル化反応を検討した。約38kdにモノADPリボシル化される蛋白が検出された。また上記ホモジネートにアルギニン特異的モノADPリボシル化反応阻害剤であるノボビオシンを加えたところ、38kd蛋白におけるモノADPリボシル化反応は濃度依存性に低下した。次に、ノボビオシンをB16細胞の培養系に加えメラニンおよびチロシナーゼ産生を定量したところ、メラニンおよびチロシナーゼ産生共に濃度依存性に低下した。これらの所見は38kd蛋白におけるモノADPリボシル化反応がメラニン産生機構に関与していることを示唆するものと考えた。現在、紫外線照射およびメラノサイト刺激ホルモンをはじめとする各種刺激物質によるメラニン産生の変動と38kd蛋白におけるモノADPリボシル化反応との関連性を検討中であり、さらにモノADPリボシル化される38kdの蛋白を同程していく予定である。
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